「原因はこれです」とAIが言い切ったが、測ってみたら全部違った。原因を語る前に、まず測る

「最近、メールがちゃんと届いていない気がする」

ある日、私はAIにこう相談しました。
するとAIは、すぐに答えを返してきました。

「送れる数の上限に当たっています。上限を上げるには、有料プランへの切り替えが必要です。」

筋は通っています。
私は危うく、そのまま有料プランへの切り替えを決めるところでした。

記録を見たら、上限に当たった日は1日も無かった

念のため、実際の送信記録を全部調べてもらいました。

  • 一番多く送った日は、AIの言う「上限」を超える数を送っていたのに、1通残らず成功していた
  • 送れずに止まった日は、1日も無かった
  • 月全体で見ても、使っていたのは枠の1割前後だった

※2026年9月時点の自社の記録です

本当に上限に当たっているなら、記録はどこかで上限の数に張り付いて、平らになるはずです。
平らになった日は1日も無く、「上限」は効いていませんでした。

大きな推測の吹き出しを脇に置き、ロボットが記録の束を定規で測っている様子
大きな推測の吹き出しを脇に置き、ロボットが記録の束を定規で測っている様子

1回で終わらず、同じ間違いが3回続いた

困ったのは、これが1回では済まなかったことです。
同じ相談の中で、AIは「原因はこれです」を3回言い、3回とも測ってみたら違っていました。

最後は「1通だけ送れていません」という話でした。
調べると、送れていないように見えた1人は、配信が終わったあとに登録した人でした。
送り漏れは、1通もありませんでした。

もっともらしい理由を先に語り、あとから測って自分で打ち消す。
これが3回続いたので、決まりにしました。

原因を語る前の決まり

  1. 原因を言うときは、その根拠になった記録を一緒に出す。 出せないなら、それは「仮説」と書く
  2. 「上限に当たった」系の話は、上限に張り付いた記録を探してから言う
  3. 数が合わないときは、比べる時点をそろえる。 今の人数と、当時の送信数を引き算しない
  4. 私の「〜な気がする」は、データであって結論ではない。 まず何が起きたかの現物を探す

4つ目は、私自身への戒めでもあります。
社長の「気がする」をAIがそのまま原因にすると、間違った前提で、お金の判断まで進んでしまう。

人の会社で言えば、「推測で上に報告しない」

現場の報告が推測と事実でまざると、上に立つ人はどれを信じていいか分からなくなります。
「たぶん」と「確かめた」を分けて報告する。
それだけで、判断の精度はまるで変わります。

AIは、もっともらしい理由を作るのがとても上手です。
だからこそ、理由の前に記録を出させる。
この順番を守るだけで、余計な出費を1つ防げました。

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