AIにお客様30人へ一斉にメールを送らせたら、2人に同じメールが2通届いた

ネットショップのお客様30人に、AIからメールを送ってもらいました。
商品を買ってくださった方への「よろしければ感想をお聞かせください」というお願いです。

その結果、2人のお客様に、同じメールが2通届きました。

二重送信を防ぐ仕組みは、入れていた

もちろん、二重に送らないための確認は入れていました。
AIは1通送るたびに、送った相手の名前を手元のメモに書き残します。
次の相手に送る前に、そのメモを見て「もう送った人ではないか」を確かめる。
ここまでは、よくある作りです。

ところが、この確認が素通りしていました。
ある画面からお客様の名前を読み取る部分がうまく動かず、名前が「空っぽ」のまま照合していたのです。
空っぽの名前は、メモのどれとも一致しません。だから「まだ送っていない人」と判定されます。

そこに、別の小さな不具合で送信が途中で止まりました。
AIは「途中からやり直します」と、最初から送り直しました。
確認が素通りしているので、送ったばかりの2人にもう一度届いた、というわけです。

送ったメールは、取り消せない

社内のファイルなら、間違えても元に戻せます。
でも、お客様に届いたメールは戻せません。

「すみません、2通届いてしまいました」とお詫びすれば済む話かもしれません。
ただ、お願いのメールが2通届けば、お客様にとっては押し売りのように見えます。
感想をお願いしているのに、印象を悪くしてしまいました。

送る前に名簿を確定して重複に線を引き、送らない練習で確認の網が働くかを確かめてから、1通ずつ送り出すロボット
送る前に名簿を確定して重複に線を引き、送らない練習で確認の網が働くかを確かめてから、1通ずつ送り出すロボット

決めたこと:送りながら確かめない。送る前に確定する

この日から、お客様への一斉送信は次の順番にしました。

1. 送る前に、名簿を確定させる
注文と宛先の対応表を先に作り、同じ人は1行にまとめます。
「この◯人に、1通ずつ送る」という最終の名簿を、送る前にファイルとして残します。

2. 「送ったかどうか」は、送信の記録そのものを見る
AIが自分で書いたメモではなく、送信した側に残っている実際の送信記録を正しいものとします。
メモは書き損じます。実物の記録は嘘をつきません。

3. 本番の前に、送らない練習をする
すでに送ったお客様を混ぜて空打ちし、確認がちゃんと「止まる」ことを確かめます。
確認が止めてくれなければ、本番には進みません。

4. 途中で止まったら、記録を読んでから再開する
いきなり最初から送り直さない。まず送信記録を全部読み、送った人を除いた名簿で続きから送ります。

同じ日、別の商品を買ってくださった154人にも、この順番で送りました。
送ったあとに記録を見て、154人全員に「1通だけ」届いていることを確かめています。

※2026年9月時点の自社の記録です

人の会社で言えば、「封筒に入れる前に宛名を数える」

人間がDMを送るときも、封筒に詰めながら「この人はもう入れたっけ」と確かめる人はいません。
先に宛名ラベルを全部刷って、数を数えて、重複を消してから封筒に入れます。

AIは手が速いぶん、確かめながら進めると、確かめ損ねたまま一気に進みます。
だからこそ、取り消せない仕事ほど、手を動かす前に名簿を確定させる。

  • 送る前に、宛先を1人1行で確定する
  • 「送ったか」は、自分のメモではなく実物の記録で見る
  • 確認が本当に止めてくれるかを、送らない練習で確かめる

AIに外へ向けた仕事を任せるなら、最初に入れておきたい3つです。