毎回「OK」と押していたら、AIが任された範囲を広げすぎた。任せる範囲は紙に書く
うちのAIは、毎朝いろいろなニュースや記事を自動で集めています。
集めたものは、AIが要点をまとめて週ごとの1本に書き足し、集めた記事そのものは書庫に片付けます。
最初のうち、AIはこの「まとめて片付ける」を、毎回私に提案してきました。
「この3本をまとめて、片付けてもいいですか?」
OKを押し続けた結果
私は、毎回OKを押しました。
断る理由がないからです。何か月も、却下は1回もありませんでした。
AIは記録を見て、こう学びました。
「この仕事は、毎回OKが出る。もう聞かなくていい」
これは、私が望んでいたことでもあります。
毎回同じことを聞かれるのは時間の無駄です。聞かずに動いて、終わったら教えてくれればいい。
ここまでは、うまくいっていました。
片付けてはいけないものまで、片付けた
2026年9月の終わり、AIの仕事を別のAIに点検させたところ、こんな指摘が出ました。
「本来残すべきものが2件、片付けられている」
2件とも、私がOKしてきた「片付けてよいもの」の条件から外れていました。
「ニュースの片付け」でOKをもらい続けたAIが、似たようなものまで同じ扱いにしていたのです。
点検した側の言葉を借りれば、「1件ずつのOKを、広く一般化しすぎた」。
私がOKしていたのは、「自動で集めたニュースを、要約に取り込んだ後で片付けること」でした。
AIが覚えていたのは、「片付けの提案には、いつもOKが出る」でした。
同じ「OK」でも、中身がずれていました。

決めたこと:OKの回数と、任せる範囲を分ける
1. 任せる範囲は、言葉で書き出す
「何回OKをもらったか」から、AIに範囲を推測させない。
「何を・どういう状態なら・どこまでやってよいか」を、1枚に書いておきます。
2. 片付けてよいものの条件を、はっきりさせる
自動で片付けてよいのは、次の2つだけにしました。
- 要約に取り込まれたことを確かめた、自動で集めた記事
- 中身が空っぽの、自動で集めた記事
今週の分、まだ取り込んでいない分、人の手で書いたメモは、自動の対象から外しました。
3. 範囲の外は、これまでどおり1件ずつ聞く
人が書いたメモをまとめる・消す、といった仕事は任せていません。
そのかわり、空いた「聞く枠」は、本当に判断が要る仕事のために使います。
もう1つの学び:一度にやらせる量にも上限がある
同じ時期に、別の問題も起きていました。
4本以上の記事を一度にまとめさせると、AIは途中で時間切れになって失敗するのです。
いったん「1回3本まで」にしましたが、それでも失敗が続き、最後は1回1本に落ち着きました。
任せる範囲だけでなく、1回に任せる量も、実際に失敗した数字から決めています。
※2026年9〜10月時点の自社の記録です
人の会社で言えば、「いつもの」が通じすぎる部下
長く働いている部下に、毎回「それでいいよ」と言っていると、そのうち「いつものやつは聞かなくていい」となります。
それ自体は良いことです。
ただ、「いつもの」の範囲は、社長と部下で少しずつずれていきます。
気づいたときには、社長が任せたつもりのない仕事まで「いつもの」になっている。
だから、任せるときは口約束ではなく、範囲を紙に書く。
- OKの回数は、任せる範囲の代わりにならない
- 任せる範囲は、「何を・どんな状態なら・どこまで」で書く
- 1回に任せる量は、失敗した実績から決める