「まだ?」を聞き続けるAIが、20日間パソコンを焼いていた。待ち方にも設計がいる

AI社員に「この作業が終わったら、次をやって」と頼むことがあります。
そのとき、AIはどうやって「終わった」を知るのか。
ここに落とし穴がありました。

「終わった?」を休まず聞き続けていた

ある時期から、AIの動きが目に見えて遅くなりました。
頼んだ仕事が途中で止まる。何もしていないはずなのに、パソコンが重い。

調べてみると、原因は「待ち方」でした。

AIは、別の作業が終わるのを待つあいだ、
「終わった?」「終わった?」と、休みなしで確かめ続ける書き方をしていたのです。
1秒も休まずに聞き続けるので、それだけでパソコンの力を丸ごと1つ分使い切ります。

ドアを休まずノックし続けるロボットと、ベルが鳴るまでお茶を飲んで待つロボットの対比
ドアを休まずノックし続けるロボットと、ベルが鳴るまでお茶を飲んで待つロボットの対比

親が帰っても、見張りだけが残っていた

さらに悪いことに、頼んだ側の仕事が終わったあとも、この「聞き続ける係」だけが裏に残っていました。
誰にも見えない場所で、終わるはずのない確認を続けていたのです。

見つかったときには、そういう係が8つ、20日間ずっと動き続けていました。
パソコンの頭脳の半分が、ただ「まだ?」と聞くためだけに使われていた計算です。
新しい仕事を始めるだけで1分半以上かかり、AIが途中で止まる直接の原因になっていました。

※2026年8〜9月時点の自社の記録です

待つときの決まりは3つ

ここから、待ち方の決まりをつくりました。

  1. 聞くなら、間を空ける:確かめるたびに少し休む。休みなしで聞かない
  2. 打ち切りを決める:「何回聞いても終わらなければ、あきらめて報告する」上限を最初に決める
  3. できれば、聞かずに知らせを待つ:終わった側から「終わりました」と知らせてもらう

いちばん良いのは3つ目です。
ドアを叩き続けるのではなく、ベルが鳴るまで座って待つ。
こちらは何もしなくていいので、パソコンの力も使いません。

「重い」と感じたら、まず待ち方を疑う

この件のあと、パソコンが重いと感じたら、最初に「裏で何かが待ち続けていないか」を確かめるようにしました。
犯人は、たいてい派手な仕事ではなく、静かに待っているだけの係です。

人の会社で言えば「進捗どうですか?」

人の職場でも、5分おきに「進捗どうですか?」と聞かれたら、聞く人も聞かれる人も仕事になりません。
「終わったら連絡ください。明日の夕方までに来なければ、こちらから聞きます」
これで十分です。

AIにも、同じ待ち方を教える必要がありました。
待つことにも、設計がいる。
任せる仕事が増えるほど、効いてくる決まりだと思います。