AIが上限で止まったときの「代打」を用意した。5日後、一度も打席に立っていなかった

うちのAI社員は、ふだんはClaudeというAIで動いています。
ただ、契約しているプランには「一定時間に使える量」の上限があり、忙しい日はそこにぶつかります。

上限にぶつかると、受信したメッセージの仕分けや返信の下書きが止まります。
これを避けるために、2026年9月、代打のAIを用意しました。

上限が来たら、別のAIに代わってもらう

仕組みはこうです。

  • まず、いつものAIで処理する
  • 上限なら、同じ会社の別の型のAIに回す
  • それも全部上限なら、別の会社のAI(ChatGPT側のCodex)に代わりに読んでもらう

代打のAIは、すでに契約しているプランの範囲で動くので、追加の料金はかかりません。
代打が動いたときは、画面に「代わりに処理しました」と印が付くようにもしました。

これで、上限の日でも受信箱は止まらない。そう思っていました。

ベンチで待つ代打のAIと、古い住所のまま呼び出せなくなっていた連絡先
ベンチで待つ代打のAIと、古い住所のまま呼び出せなくなっていた連絡先

5日後、「一度も動いていない」と分かった

5日後、AIの利用記録を月ごとに見直していたときです。
代打のAIが動いた回数が、ゼロでした。その月だけでなく、どの月もです。

代打が出たという印も、一度も付いていませんでした。つまり、代打の仕組みは一度も働けていなかったのです。

※2026年9月時点の自社の記録です

原因は、代打の「住所」が変わっていたこと

調べると、原因は地味なものでした。

うちの仕組みは、代打のAIを呼ぶために、パソコンの中の「この場所にある」という住所を覚えていました。
ところが、作って3日後に代打のAIのほうが自動で新しい版に更新され、そのときに置き場所が変わっていた。

仕組みは古い住所を訪ねて、誰もいないので「代打は使えない」と判断する。
エラーにもならず、黙って、いつものAIの上限待ちに戻っていました。

直し方は、自動更新でも場所が変わらないところに代打のAIを置き直し、住所を書き換えること。
そのうえで、実際に代打のAIに問い合わせて、返事が返ってくるところまで確かめました。

「仕組みがある」と「動く」は別のこと

この件で、うちの決まりが1つ増えました。

保険を掛けたら、使われた記録まで見る。

  • 代わりの仕組みを作ったら、実際に代打を呼んで、返事が来るかを確かめる
  • そのあとも、「代打が出た回数」を定期的に見る
  • ゼロが続いていたら、「出番がない」ではなく「出られない」を先に疑う

保険は、事故のときにしか使われません。
だからこそ、ふだんは誰も中身を確かめず、いざというときに効かないことが起きます。

人の会社で言えば、緊急連絡網

人の会社でも同じです。
緊急連絡網を作ったあと、一度も回したことがなければ、番号が変わっていても誰も気づきません。

AIの代打も、連絡網と同じく、ときどき実際に回してみる。
それが、作った仕組みを本当に役立たせる一番安い方法でした。