AIの仕事を「1件1会話」に分けたら、2日で645本に増えた

AI社員に頼む仕事が増えて、困ったことが起きました。
直そうとして入れた改善が、2日で645本の会話を生みました。

最初の困りごと:仕事が潰し合う

うちでは、私がAIと話している会話の中から「やること」を拾い、AI社員が手分けして片付けています。

2026年10月、これが渋滞しました。

  • 片付けた報告が、全部もとの会話に落ちてくる。1つの会話に85件たまり、5分で7件の報告が並んだ
  • まとめて頼むと、同じ担当のAIが同じファイルを同時に書き換えようとする

私は「潰し合わないようにしてほしい。会話がたくさん増えてもかまわない」と伝えました。

入れた改善:仕事1件に、会話1本

AIが出した答えは、こうでした。

  • やること1件ごとに、専用の会話を1本立てる。報告はそこに書く
  • 同時に動かすのは3件まで。残りは順番待ち
  • 同じファイルは、先に触った仕事が握る。後の仕事は待つ

試してみると、確かに潰し合いは止まりました。

2日後、会話が645本になっていた

ところが2日後、会話の一覧を見て驚きました。
645本に増えていたのです。

原因は、別の仕組みとの掛け算でした。

  • うちには「会話の中から、やることを自動で拾う」仕組みがある
  • 新しく立った専用の会話の中でも、その仕組みが動いて、また「やること」を拾う
  • 拾われたやることに、また専用の会話が立つ
  • さらに、止まった会話を見つけて動かす見回り役も、そこに仕事を投げ込む
1枚の書類から書類が生まれ、その書類からまた書類が生まれて、机の上が紙の山で埋まっていく様子
1枚の書類から書類が生まれ、その書類からまた書類が生まれて、机の上が紙の山で埋まっていく様子

会話の中から仕事が生まれ、その仕事が会話を生む。ねずみ算でした。
専用の会話の中で拾われたやることだけで76本ありました。

そして、私がそれらの会話に書き込んでいたのは、ほとんどが「やることがない」の一言でした。

元に戻した。ただし、全部ではない

私は「意味の分からないものまで増えている。元の形に戻したい」と伝えました。

戻したのは「1件1会話」だけです。
報告は、もとの会話に戻しました。
増えた568本の会話は、まとめて片付けました。あとで戻せる形にしてあります。

一方で、順番待ちと、同じファイルの取り合い防止は残しました。
潰し合いを止めたのは、実はこの2つだったからです。

※2026年10月時点の自社の記録です

学んだこと

改善そのものは、間違っていませんでした。
問題は、すでに動いている別の仕組みとの組み合わせを見ていなかったことです。

自動化を重ねていくと、仕組み同士が勝手に掛け合わさります。
人間の会社で言えば、「会議を開いたら必ず議事録を作る」と「議事録が出たら会議を開く」が両方ある状態です。

  • 新しい仕組みを入れたら、数が増えるものを2〜3日見張る
  • 戻すときは丸ごとではなく、効いていた部分だけ残す

AI社員の会社は、足し算より掛け算で壊れます。