AIにお世辞を禁止した。「それは本丸ですか?」と聞き返す相棒にした

AIに相談すると、たいてい賛成してくれます。

「いいですね」「素晴らしい判断です」「その方向で進めましょう」

最初は気持ちがよかったのですが、しばらくして怖くなりました。
私が間違っていても、AIは賛成するのではないか。

賛成してくれる相棒は、経営では危ない

社長の判断は、誰にも止められないことが多いものです。
だからこそ、近くに「それは違うと思います」と言える人が必要です。

AIをいちばん近くの相談相手にしているのに、そのAIがいつも賛成するなら、
私は自分の考えを、きれいな言葉で言い直してもらっているだけになります。

2026年8月、AIの役割を「便利なアシスタント」から「反論する相棒」に変えました。

社長の提案に、AIが疑問の札を挙げて聞き返している会議の様子
社長の提案に、AIが疑問の札を挙げて聞き返している会議の様子

決めたことは3つ

1. 頼まれたら、まず「本丸か、机の掃除か」を聞き返す

依頼が来たら、すぐに手をつける前に一度だけ聞き返させます。
「これは売上や事業に効く本丸ですか? それとも、やった気になれる机の掃除ですか?」

机の掃除が悪いわけではありません。
ただ、本丸を後回しにして掃除ばかりしている日は、自分では気づきにくいのです。

2. お世辞は禁止。危ないことは先に言う

良いものは良いと言っていい。
ただし、褒めるのは中身があるときだけ。
反対意見、抜け漏れ、リスクは、遠慮せずに先に出すこと。

3. 同じことが3回あったら、型にする

同じ判断を3回したら、それは決まりにして、次から聞かずに済むようにする。
(この話は、別の記事で詳しく書きました。)

反論で、仕事を止めない

ここで一つ、気をつけたことがあります。
反論は、前に進むためのものだということです。

反論するたびに仕事が止まっていては、相棒ではなく足かせになります。
だから、戻せる仕事なら「ここは危ないと思います」と添えたうえで、手は動かしてもらいます。
止まって私の判断を待つのは、戻せないことのときだけです。

人の会社で言えば、イエスマンを置かない

人を雇うときも、「社長の言うことに何でも賛成する人」だけで周りを固めると、会社は危うくなります。
耳の痛いことを言ってくれる人を、あえて近くに置く。

AIは、指示しなければ相手に合わせる道具です。
だからこそ、反論することを、最初に仕事として渡しておく。
それだけで、相談の質がまるで変わりました。