外出先のスマホから、社内のAI社員に頼む。ただしインターネットには1ミリも公開しない

うちのAI社員は、会社のパソコンの中で動いています。
机に座っていれば、いつでも頼めます。

困ったのは、外にいるときでした。
移動中に「あれを調べておいて」と思いついても、パソコンの前に戻るまで頼めない。
戻るころには、たいてい忘れています。

「外から見られるようにする」は、いちばんやってはいけない

すぐに思いつくのは、パソコンの画面をインターネットから見られるようにすることです。
でも、これはやめました。

AI社員の仕組みの中には、会社のメール、取引の記録、外部サービスとつなぐ鍵が入っています。
インターネットに公開すれば、世界中の誰でも入口までは来られます。
あとはパスワード1つが最後の壁、という状態になります。

便利さと引き換えにするには、失うものが大きすぎました。

外出先のスマホと会社のパソコンだけを結ぶ私設の通り道と、その外側を守る壁
外出先のスマホと会社のパソコンだけを結ぶ私設の通り道と、その外側を守る壁

自分の端末だけが通れる「私設の通り道」

そこで、考え方を逆にしました。
インターネットに公開するのではなく、自分の端末だけを、会社のパソコンと同じ「身内の網」に入れる。

  • 会社のパソコンは、つけっぱなしにしておく
  • スマホとパソコンを、自分専用の通り道でつなぐ
  • パソコン側は「その通り道から来た接続」だけを受け付け、それ以外はすべて断る

外から見ると、会社のパソコンには入口すら見えません。
私のスマホから見ると、会社の机に座っているのと同じように頼めます。

スマホの画面に合わせて作り直した

つながっただけでは、まだ使いにくいままでした。
パソコン用の画面は、スマホでは文字が小さく、ボタンも押しにくいのです。

画面を、スマホの幅に合わせて組み替えました。
一覧と本文を切り替えて1列で見る。会話は全画面で開く。
これで、電車の中でも片手で頼めるようになりました。

別のパソコンやタブレットを足すときも、同じ「身内の網」に入れるだけです。
新しく入口を開ける作業はいりません。

決まりは1つだけ

この仕組みを入れるときに、1つだけ決まりを書き残しました。

会社のパソコンを、インターネットに直接さらさない。

外から使いたくなるたびに、「公開すれば早い」という誘惑は出てきます。
そのたびに、この1行に戻ります。

人の会社で言えば、社員証で入る通用口

会社の建物に、誰でも入れる正面玄関を作る代わりに、
社員証を持っている人だけが通れる通用口を1つ作る。
AI社員への「外からの頼み方」も、それと同じ形にしました。

便利さは、守りを崩して手に入れるものではない。
守りの内側に、自分の通り道を引いてくれば、両方とも手に入ります。